暮らしに寄り添う
ソファ選び

TIMELESS INTERIORS・2023.05.26

「もっと家を心地よくしたい」「インテリアをどうにかしたい」とお悩みの方へ。

「HOUSE」を、自分や家族にとって居心地のいい「HOME」に変えるヒントを、プロに教えて貰いませんか?

インテリア&フードスタイリストの岩﨑牧子さんに、家具や照明、ラグの選び方、小物の飾り方について教えて頂きながら、スタイリングを提案して頂きます。

暮らしに寄り添う
ソファ選び

初回はリビングの主役、ソファの選び方について。

休日に日がな一日、好きな動画を観たり、読書をしたりする時間は最高の贅沢。

友達と語り合う夜や、家族がギュッと固まって思い思いに過ごす時間は、愛おしく、かけがえのないものです。

そんな時間を支え、大らかに受け止めてくれるのがソファ。

ソファはリビングの中で、いや家全体を見わたしても、大きな面積を占める家具のひとつです。つまり、インテリアの印象を左右するキーアイテム。金額的にも高価ですし、買い替えるのもなかなか大変なため、慎重に選びたいものです。

「ソファでどんな時間を過ごし、
どんな暮らしをしていきたいか?」

ここでは理想のシーンを思い描きながら、あなたにおすすめのソファを提案します。

好みの素材やデザインの、とびきり座り心地のいいソファがあれば、家時間はもっと快適になるはず。ハードな1日の終わりに、気持ちのいい休日に、思いきりダイブしたくなるようなソファを手に入れてみませんか?

〈Coordinate 01〉

「暮らしや気分の変化に、
フレキシブルに寄り添う」
ソファをお探しなら

ソファというと、1度置いたら2度と動かせないくらい、どっしりとした存在感があり、リビングの同じ場所にずっと居座っているイメージですよね。しかも重い。でもこれからは、もっと軽やかに。簡単に動かせ、形を変えられる、暮らしのさまざまなシーンに対応できるソファを選ぶのはいかがでしょう。例えば、友達が来たら座るスペースを増やせたり、ベッドとしても使えるし、足を伸ばしてリラックスして・・・と1つで何通りにも使い分けられるような。そして今の家だけでなく、引っ越した先の家の間取りにも柔軟に対応できるようなフレキシビリティのあるものを。

自由なソファで軽やかに暮らしを楽しむ
そんなソファなら、これから家族が増えたり、引っ越しをする可能性がある人でも、安心して購入できます。頻繁に家具を動かして模様替えを楽しみたい、雰囲気を変えたい、なんて人にもおすすめ。季節や気分、シーンによって、家具の置き方、使い方を変えられたなら、暮らしも、インテリアづくりももっと楽しくなるはず。家具や小物を定期的に動かしていると、家の中の空気が停滞してしまったり澱んだりすることもなくなります。自然と風通しがよくなって、清々しく過ごせますよ。今や、暮らし方も暮らす場所も、働き方も働く場所も、どんどん選択肢が広がり、自由に選べる時代。ソファもそんな軽やかな暮らしにフィットする、自由度のあるものを選んでみるのはいかがでしょう。

そんな方におすすめなのが
「ēcruxe EPI 2P SOFA
(エクリュクス エピ 2Pソファ)」

木製のフレームにクッションをのせた、肘掛けのないシンプルなソファ。幅130㎝と2人掛けにぴったりなコンパクトなサイズ。でも奥行きが83㎝とたっぷりあるので、座面の上であぐらがかけるくらい、ゆったりと座れます。

特筆すべきは同じシリーズの、奥行きがぴったりのBOXテーブルやオットマンと組み合わせることで、多用途に使えること。揃いのオットマンを前に置けば足を伸ばしてシェーズロングのように。横に並べればベッド代わりにもなるし、向かいに置けば1人掛けチェアとしてと、さまざまなシーンに対応する優れものです。

木製のフレーム部分にはモールディングや真鍮が施され、ディテールや後ろ姿まで丁寧に仕上げられています。部屋の真ん中に置いてもOKなデザインだから、置き方、置く場所を選びません。クッションは2層のウレタンの上にスモールフェザーが入っていて、硬すぎず柔らかすぎずの快適な座り心地。カバーリングタイプなので、簡単に外してクリーニングに出せるし、カバーだけ購入してかけ替えることもできます。

まさに空間や気分、季節によって置き方を変えて楽しめる。そして座り心地も使い勝手もいい、自由で軽やかなソファです。

Styling Points

「イメージしたのは、カジュアルで明るく、若々しいリビング。ソファはオレンジ系のパイピングがポイントになったファブリックを選び、クッションやアートで黄色を加えてさし色とし、暖色系でまとめています。ソファのフレームやテーブルなどの木製家具は、床の色に合わせて、明るく軽やかなオークウッドに。ウォールナットを選べば、もっと落ち着いた大人っぽい印象に仕上がると思います。木の色は、床や壁の色に合わせて選ぶといいですね。ソファは後ろ姿もきれいなので、部屋の真ん中に置くのもありです。スタイリングでは、お客さまが来た時をイメージして、オットマンをコーヒーテーブルの向かいに置きました。この大きめのオットマンは、置き方によっていろいろと活用できて便利だと思います。」(岩さん)

〈Coordinate 02〉

「思いきりリラックスでき、
1日中過ごしたくなるような」
ソファをお探しなら

ソファでの時間を、思いきり楽しみたいあなたには、1度、身を任せたら起き上がるのが嫌になるような、極上のリラックス感を味わえる座り心地のソファがおすすめです。

まずは座った時にフワッと包み込まれるような柔らかさがあること。しかも、しっかりと身体を支えてくれるホールド感も味わえる、絶妙な座り心地、クッション性が大切です。

そしてサイズ感。家族が一緒に座って過ごせ、1人や2人なら寝転べるようなたっぷりとした大きさ、そして奥行きがあれば申し分なし。特に奥行きのたっぷりあるソファは、よりゆったりとリラックスして座れ、おすすめです。

心地よさのためには素材選びも大切
さらに大切なのが素材。洗いたてのシーツのような、サラッとした肌触りをいつも感じられるファブリック素材が理想的。長い時間を共に過ごし、肌に直接触れるものだから、できれば天然繊維を。もちろん汚れはしますが、天然繊維なら静電気が起こりにくく、ホコリを吸着しにくいため、年月を経ても比較的快適に使い続けられます。特に麻が入っていると1年中サラリとして、夏は涼しく、冬は空気を含んで暖かく・・・が叶います。

こんな条件を満たすソファなら、間違いなく1日中そして1年中、快適に過ごせるはず。ソファに身をまかせ、読書をしたり、お昼寝をしたり。至福の時間を心ゆくまで楽しめます。

そんな方におすすめなのが
「HALO PANAMA
CHAISE LONGUE SOFA
(ハロ パナマ シェーズラウンジソファ)」

座クッションにはベースのウレタンの上に、厚めに贅沢にフェザーが入っています。なので、真綿に包まれるようなフワッフワな柔らかさを感じつつ、しっかりと安定したホールド感を味わえます。背もたれのクッションにもフェザーがふんだんに使われていて、まさに一度座ったら立ち上がりたくなくなってしまう・・・そんな極楽ソファ。

家族が一緒に座って、1人で寝転んで、とあらゆるシーンを支えてくれる、ゆったりと頼もしいサイズ感も魅力です。奥行きが100㎝と深いので、ソファ座面上に足を乗せたり、寝転んでもOK。浅く腰掛けたい時に便利な、背中を支えるクッションもついています。L字型で、足を伸ばして寛げるシェーズロング部分もあり、座る、寝転ぶとどちらも楽しめる理想的なソファ。例えば3〜5人くらいで一緒に座っておしゃべりなんてこともできるし、2人同時に寝転んでTVを観たり、本を読んだりも可能です。

カバーは麻&綿の混紡の天然繊維のファブリック。サラリと気持ちのいい麻と、肌に優しく柔らかい綿の両方の良さを兼備した、一年中、心地のいい肌触り。麻の少しザラっとした肌触りが苦手な人にも、綿の柔らかさも感じられる綿&麻の混紡素材はおすすめです。

無駄のないシンプルなデザインで、色はホワイトとグレーの2色。ニュートラルカラーのシンプルなソファは、ファッションで例えるなら白いシャツ。合わせる家具、ファブリック類、小物を選ばず、どんなスタイル、色とも調和する包容力があります。飽きがこないし、空間を選ばず置ける。引っ越した先の内装にもきっとすんなりと馴染み、間違いなく長く愛せるソファ。極上のソファ時間が実現するこのクオリティで、この価格はおすすめです。白シャツと同じで、結局、こんな座り心地のいい、ベーシックなソファが一番使いやすいのかも知れませんね。

Styling Points

「落ち着いた、高級感のあるリビングをイメージし、あえて明るい色は加えず、モノトーンでまとめてみました。ただし、冷たい印象にならないように、人の手やぬくもりを感じられ、置くだけで存在感のあるアートや小物を加えて。モダンすぎない、少しオリエンタルな雰囲気に仕上げています。ラグは、黒ではなく艶感のあるグレーを選び、重たくなりすぎないように、軽やかさをプラス。PANAMAのような、シンプルな白いソファは合わせるものによって印象がまったく変わります。いろいろな色やスタイルを楽しんで頂けると思いますよ。」(岩さん)

〈Coordinate 03〉

「ともに家族の時間を刻める、
長く愛せる」
ソファをお探しなら

いいものを長く使い続けたい・・・そんな方にはぜひ、張り地がレザーのソファをおすすめします。

いつかはレザーのソファを、と憧れている人も多いのではないでしょうか。

レザーならではのしっとりと滑らかな座り心地、そしてラグジュアリー感は、他の素材では味わえないもの。置くだけで空間がランクアップして見え、周りの空気の質まで変えてくれる。レザーのソファにはそんなパワーがあります。ファブリックのソファが、思いきりリラックスしてレイジーに過ごすイメージなら、レザーの場合は少し背筋を伸ばし、エレガントで優雅な時間を過ごせるようなイメージ。ゆったりと落ち着いた、上質な時間を過ごせそうです。

ソファを育てていく楽しみも
加えて、丈夫で長く愛せるのもレザーの魅力です。長く使い込むほどに、くったりと柔らかく馴染み、レザーの仕上げによっては、子供やペットがつけたキズやシミすら味となって、家族の歴史を刻んでいける。色や艶も変化していき、育てていく楽しみ、経年変化を楽しめるのもレザーならでは。愛犬や愛猫にソファの布を引っ掻かれて・・とお困りの方も、レザーなら簡単に破れることはありません。むしろキズを味として愛おしむ気概で、選んでみるのはいかがでしょう。デザインはあくまでシンプルな、質の良さを感じられるようものを。せっかくなら、吸いつくように滑らかで、柔らかい極上の肌触りのレザーのソファを選びたいものです。

レザーのソファと聞くと、落ち着いた大人の空間でないと・・・と思われるかも知れません。でも実は、これから子育てをスタートする、ペットとの暮らしを楽しむファミリーが、ともに時を刻むのにもおすすめ。暮らしに寄り添ってくれる、懐深いソファなのです。

そんな方におすすめなのが
「HALO LUCIEN 3P SOFA
(ハロ ルーシェン 3Pソファ)」

レザーは、世界最高品質のプレミアム天然本革、HALO社のフリーハンドシリーズレザーを使用しています。すべて手作業で、艶を出し、革本来のクオリティを保つために顔料で染めるのではなく、アニリン染めに。レザー本来の持つ表情を生かしながら、ニュアンスのある絶妙な色に仕上げています。特筆すべきはその柔らかさ。触れてみるとすぐにわかりますが、厚みがあるのに、新品の時から肌に馴染むように柔らかく滑らか。ソフトヴィンテージ仕上げという名の通り、すでに使い込んだかのような、柔らかさと風合いが実現しています。

見て、触れて、そのレザーの高いクオリティを感じられるはず。シミやキズもいい味になり、まさに経年変化を楽しめる、育てていくレザーのソファです。柔らかなレザーの下には、ウレタンのクッションが入り、しっかりと体を支えてくれ、座り心地も抜群。飽きのこないシンプルなデザインで、高品質なレザー本来の魅力をたっぷり楽しめるソファ。年月を経て、使い込むほどにさらに増す風合い、滑らかさを、家族の成長とともに味わえます。

Styling Points

「硬質なレザーのソファに、古いもの、人の手を感じるもの、自然素材の不完全なものなどを合わせ、ナチュラルで経年変化を楽しめるリビングをイメージしました。触れるととても柔らかいレザーですが、見た目は少しハードな印象なので、なるべく柔らかいものを加えて。古材を利用したコーヒーテーブルは天板がガラスで軽やかに見え、円形なので柔らかさをプラスできます。壁に飾ったクバ族の織物や、ソファ上のクッションもプリミティブで表情豊か。ソファのレザーとともに、年月を経てますます味わい深くなる姿をも、楽しめると思います。」(岩さん)

まずは理想のイメージを

ソファを選ぶ時は、もちろんサイズや金額などの物理的な条件も大切ですが、「そこでどんな時間を過ごしたいか?」をイメージしてみることも大切です。そうすればおのずと絞られてきて、きっと理想のソファに巡り会えますよ。

ソファ&スタイリングを提案してくれたのは
岩﨑牧子さん

インテリア&フードスタイリストとして、雑誌、カタログ、広告など幅広く活躍する。大人っぽくエレガントかつ洗練されたスタイリングに定評がある。器好きで、作家の工房を訪ねたり、国内外で開催される食のイベントでスタイリングを手がけ、セレクトした器を販売することも。趣味でヴィンテージのカトラリーをコレクション。

撮影/川上輝明(bean)
スタイリング/岩﨑牧子
構成・文/鈴木奈代
アートディレクション/小橋太郎(Yep)